訪問時期:2022年7月~8月

最近、新規でいくつか東京のカフェを訪れたので、そのまとめ。


マサコ (下北沢)

2020年に復活して新しくなったマサコはジャズ喫茶度がアップしていて、より音楽に向かい合う空間となっていた。オーディオとの距離も近く、私語もほぼ禁止。選曲の幅も広く、INCUSレーベルのレコードが流れたときはさすがにびっくりした。飲食のメニューも現代的で、グルテンフリーのケーキがあったりする。立地も良く、幅広い客層で賑わっているところがマサコらしい。


はやし (下北沢)

こちらもマサコの元スタッフが始められた下北沢のジャズ喫茶。路地裏の立地と、3階まで狭い階段を上がる入店難易度のせいか、下北沢のキッズ達には少しハードルが高いのかもしれない。はやしは新マサコより渋く落ち着いた雰囲気だった。アバンギャルドなレコードがかかったり、音楽に対する姿勢は本格的。スピーカーの背面になってしまうのがやや残念だけど、外光が注ぐ窓際のカウンター席は開放的な居心地。


マルディグラ (下北沢)

下北沢にある昔からあるカフェで、たぶん初訪問だと思う。あまり混雑していないのが売りと思いきや、平日の午後でもほぼ満員。WEBやSNSの普及で情報が知れ渡るようになってきたのだろうなと。でも雑誌で取り上げられているのは見たことない。瀟洒で絵画のような空間。上品なのに気取っていない。クラシカルなプリンを堪能した。


T (下北沢)

下北沢にこんなお店があったとは、と思わずにはいられなかった。下北沢のサブカル度はゼロ。極めて丁重な接客に心を洗われる。今にも倒れそうな高齢の女性から、パスタを食べに来た大学生風の男性グループまで客層の広さにも感心した。BGMはショパン。食事が売りでもあるようで、写真からはそれほど魅力的に見えなかったのが却って気になったので、今度はぜひフードをオーダーしてみたい。


tefu lounge (下北沢)

再開発された下北沢駅直結のカフェは、コワーキングスペース寄りでビジネスな空気かと想像したら、ただのオシャレカフェだった。若者が集うトレンドスポットの一環となっており、私が好む幅広い客層という観点からはかけ離れている。コンセプトや内容は悪くはないと思うので、あとは街に馴染むかどうかといったところか。デカフェのカフェラテは美味しかったよ。


樹の花 (東銀座)

東銀座にある、ジョンレノンとオノヨーコが訪れたことで有名な樹の花は観光名所だった。店内の風景を撮りまくるお客が多く、またお店側もビートルズをアピールしており、まさかここまで商売に利用されることになるとは来店時には思いもつかなかったに違いない。料理や店の内装など、お店としてのクオリティは高い。今回はちょうど昼時だったので豆と野菜のカレーを食べたけど、ケーキ類も食べてみたい。


イルマン堂 (小伝馬町)

真夏の炎天下の中、1時間近く行列に並んで入店した。平日なのにこの有様である。休日だとどうなるのだろうか。ただ、店主が行列の客に気遣っておしぼりを渡してくれたりするので、悪い気はしない。入店してみると並ぶ理由がわかる。効率より一人一人への接客を重視しており、回転率を無視したように丁寧さ。素晴らしいと思う。

店内はカフェというよりは美術館やアートスペース的な空間。薄暗くて静寂。ほとんどの客がアイスカフェラテとプリンを頼む。トイレの美しさは随一。チープさはあるけど、空間美を楽しむ場所。これが気軽に利用できるなら通いたくなるのだけどね。


カド (押上)

自宅からは場所が遠くて敬遠していたカド。一発奮起して訪れた。絢爛たる内装は本物で、わざわざ来た価値があったと感じさせてくれる。暑い夏なのでフル稼働していた扇風機のレトロなデザインには驚愕。ファンタジーの世界。身体によい生ジュースも美味しく頂けた。スカイツリー観光のついでで立ち寄りたいが、わざわざ訪問する価値もあるなと。


Donato (御茶ノ水)

御茶ノ水に2021年に新しくオープンしたジャズ喫茶は、店内の雰囲気と風格が既に立派なもので、いったいどうやってこんな空間を創り上げたのかと感嘆していたら、どうも居抜きの喫茶店を利用しているそうだ。かなり大きめの音量でジャズがかかっている。それだけでも満足なのに、ケーキも美味しいので更に満足。電話ボックスの中に置かれたレコードプレーヤーが印象に残る。