訪問時期:2022年12月

神奈川県立近代美術館 葉山館へ、内藤礼の展覧会を見に行った。

タイムズカーシェアを利用して車で行った。有料の横浜横須賀道路から逗葉新道を通って葉山へ到着。午前中に行ったので、渋滞に巻き込まれることもなくスイスイと行けた。

同時にマン・レイ展を開催していたので、合わせて見ていくことにした。

館内の空間構成としては、80%がマン・レイ展。20%が内藤礼展という割合だった。

まずはマン・レイ展。

マン・レイと数々の女性たちとの関わりを軸にマン・レイの軌跡を追っていくもので、想定以上に楽しめた。個人的には先日ロサンゼルスに行ってきたばかりだったので、ハリウッドを美しい牢獄と評したのが印象に残った。当時の時代背景ではパリが芸術の先端だったこともあり、マン・レイはその後パリに戻っている。

ピカソやらジュリエット・グレコやらブルトンやら往時の有名人が次々と登場してきて展覧会を彩る。

マン・レイと女性たち

会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室1、2、3a

会期:2022年10月22日(土曜)– 2023年1月22日(日曜)

休館日:月曜(1月9日を除く)、12月29日–1月3日

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2022-man-ray

続いて内藤礼の展覧会。展示室は一つだけ使用。

はじめ一通り作品を見たときは、正直あまりピンとこなかった。なんだかぼんやりとしているなと。でも次第に内藤礼の世界に入っていく自分に気づく。

時間が経過すると、見え方が変わってきた。展示室の空間を見慣れてくると、室内の作品の配置や区切りが神がかっているように見えてくる。

窓際の瓶の母型は借景となる窓の海と調和が取れている。高所にある鏡は窓に向かって光を放っているかのよう。展示室を模した小さな建物を上から眺めて、その展示室内に存在する自分とのアンマッチを発見する。

鏡が二つ合わさって閉じられていて、外からは見えない中の光景を想像する、という作品には無限と永遠を感じた。だが展示室の外のソファにあった冊子を読まないとコンセプトが理解できなかった。

このように実に見応えがある展覧会で、かなり長居してしまった。

割とすぐ立ち去る観客が多いけど、内藤礼の作品は時間をかけて見続けて観察しないと良さが分からないと思う。少なくとも15分間は展示室にいて、作品を見続ける必要はある。

内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022

会場:神奈川県立近代美術館 葉山 展示室3b

会期:2022年10月22日(土曜)– 2023年1月22日(日曜)

休館日:月曜(1月9日を除く)、2022年12月29日–2023年1月3日

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2022-h-collection2

内藤礼展の鑑賞後は建物の周囲を巡って、海を眺めたり、作品を見たりする。都心の美術館と違って空気が爽やか。

神奈川県立近代美術館 葉山館は電車で行くと、バスを利用しないといけないから不便立地だけど、車だと行きやすいなと思った。横浜を過ぎて葉山のほうへ近づいていくと緑が増えて風光明媚になってくる。爽快なドライブだった。

ただし逗葉新道で現金100円を渡すのがストレス。他の料金所は全てETCで通過できるのに、何で逗葉新道だけ現金を支払う必要があるのか。こういう不意打ちがあるから知らない場所に行くときは未だに現金を手放せない。全てキャッシュレスになってほしいですね。

神奈川県立近代美術館 葉山館