訪問時期:2022年6月

竹橋にある東京都国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展に行ってきた。

超久々の訪問となる東京国立近代美術館。平日の午後に訪れたらちょっとだけ行列ができていた。団体鑑賞のグループもあったりして、少し並んでチケットを購入。2200円なり。

今回の展覧会では目玉のビルケナウをはじめ、抽象画からカラーチャートの作品、写真に色を塗ったフォトペインティングなど多様な作品が展示されていた。その中から私的に気に入った作品をピックアップ。

入場して最初にあった抽象画の作品。

いきなりガツンとインパクトがあった。リヒターの作品だ!って感じの衝撃。

今回の展覧会の目玉のビルケナウは入口の近くの部屋にある。4枚の連作。初見ではピンと来なかったけど、じっくり見ていくうちにズシリとした重みが伝わってきて、素晴らしいなと思った。しばらく佇んで見入った。

アブストラクト・ペインティングで最も気に入ったのはこちら。圧倒的な作品だった。

それにしても大きいサイズの画に35mmのレンズでは画角が辛い。24mmにするべきだったかもしれない。でも写りは良かったからよしとしよう。

こちらのアブストラクト・ペインティングも実物で見ると、色の重なり具合と輝きが半端なかった。

写真で伝えきれるだろうか、いや難しい。

こちらのアブストラクト・ペインティングは入口のほうにあった作品だったかな。いずれも鮮烈。

こちらの2枚は、小さな作品だったが、広がる宇宙はラージサイズの作品に引けを取らない。

今回の展覧会は抽象画のアブストラクト・ペインティングのシリーズが出色だったと思うけど、写実的な作品でお気に入りだったのはこちら、花という作品。リヒターならではの質感。

こちらはアラジンというシリーズの中の一枚。油絵ではなく、ガラス板の作品で、光沢が異なっていてかなり面白かった。アラジンはアブストラクト・ペインティングに比べてファンタジックな感じの作品が多いと感じた。

出口付近で最後を飾っているのがドローイングという小品のシリーズ。2021年の日付入りでスケッチのような連作。御大が辿り着いた境地と過去の軌跡に思いを馳せながら鑑賞していると、胸に染みるものがあった。

ゲルハルト・リヒター展は全体的にボリュームもあって、抽象画が好きなら絶対満足。終了後のグッズ販売所も出色の出来で、ポスターやポストカードを買い込んでしまった。中でもポスターは色合いや、サイズ感、質感など良い出来栄えなのでお勧めなのだけど、円筒に入っているのではないのが難点。平べったい段ボールで挟み込まれているので、電車で持ち帰るのはやや面倒かもしれない、ていうか面倒だった。

ゲルハルト・リヒター展

会期: 2022年6月7日(火)~10月2日(日)

会場:東京国立近代美術館

開館時間:10:00-17:00 (金・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで

休館日月曜日[ただし7月18日、9月19日は開館]、7月19日(火)、9月20日(火)

https://richter.exhibit.jp/


ゲルハルト・リヒター展のあとは所蔵作品展「MOMATコレクション」をついでに鑑賞する。入場料はリヒター展に含まれている。リヒター展だけ見て帰ってしまう人も結構いるようだったけど、せっかく来たんで見ていきたいよね。

過去にも見た作品があるなと思いつつ、これは初見だなと思ったのが、ソル・ルウィット| ウォール・ドローイング#769。吹き抜けで展示されている。

4階にある「眺めの良い部屋」からの光景。展示物は何もなく、ただの休憩スペース。休憩にぴったりの場所だけど、飲み物がほしい。入館してから一滴の水も飲んでなくて喉が渇いた。

2階には国立近代美術館が所蔵しているゲルハルト・リヒターの作品がいくつか展示されている。リヒター展だけ見て帰ってしまった人たち、残念でした。

でも所蔵作品展「MOMATコレクション」は全体的にはリヒター展とはかなりテイストが異なるので、見ずに帰る人の気持ちも分かる。それでも2階のゲルハルト・リヒターの展示だけは見ておいたほうが良いだろう。近美のほうでも他にリヒターの作品が展示されていることをアピールするべきだと思う。


続いて「新収蔵&特別公開|ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》」へ。

ピエール・ボナール「プロヴァンス風景」、パブロ・ピカソ「ラ・ガループの海水浴場」。ボナールは以前に印象に残った作品があったと記憶しているのだが何だったか思い出せない。記録にしておかないと、記憶だけでは忘却されてしまう。本当にあったのか、それとも記憶誤りか。まあ、どっちでもいいか。

東京国立近代美術館


というわけで、ゲルハルト・リヒター展も含めて、全部見てざっと2時間半。見終わるころには既に閉館の17時になっていた。その後は、東西線で竹橋から隣の大手町へ行って食休憩。本当は神保町のレトロ喫茶店群に繰り出したいけど、ほぼ喫煙可の店ばかりなんで足が遠のいてしまう。と思ってたけど、後で調べてみたら今はほぼ禁煙になっていた。今度近くに寄った際は行ってみようと思う。やっぱり禁煙&キャッシュレスが現代のスタンダードでしょう。いかに名店といえども喫煙可の時点で行く気がしない。

大手町のキッサカバ(夜のプロントの店名)で食べた「かなり固めのクラシックプリン」。文字通り固めのプリンで、チーズケーキのような食感。305kcalで小麦不使用。

どういうわけか最近チェーン店系カフェでスイーツをよく食べてる。その中でもキッサカバの固めプリンは一つ抜けているように思えた。また食べてみたいけど、近所にキッサカバがないんだよな。近所のプロントは夜でもプロントのまま。そのうちキッサカバに変身するかもね。

以上。ではまた。


<続き>2度目のゲルハルト・リヒター展鑑賞

訪問時期:2022年9月

東京国立近代美術館のゲルハルト・リヒター展を再び訪れた。3か月近く間をおいて2度目の鑑賞となる。

1度目にじっくり見ているから、今回はあっさりかと思いきや、またもやアブストラクト・ペインティングに食いつくように見入ってしまった。

1度目に見たとき最高!と思った作品より、もっと最高かも!と思った作品があったり、2度目は新たな発見があった。

特にモネの睡蓮を思わす抽象画の隣にあった作品は、ゴッホとセザンヌを足して割ったような作品に見えて驚異的だった。

2022年10月から始まる豊田市美術館の同展の巡回も興味深い。