訪問時期:2024年7月

暑い中、内藤礼とデ・キリコ展を観に上野まで行った。

アムステルダムのミュージアム広場のように、美術館や博物館が集結している上野公園。上野恩賜公園というのが正式名称で、日本で最も古い公園だとか。

まずは内藤礼を観に東京国立博物館へ。平日なのに入場に行列ができているし、チケットは自動販売機でも買えるし、貴重な体験ができた。

展示室は3つ。

平成館企画展示室の展示は、細長くて暗い室内に、小さな物体が通路に浮いており、端の壁には直径1センチ程度の鏡がある。今回の展覧会ではこちらの展示が最も気に入った。ベンチに座って空間に浸っていると、作品の世界観というか宇宙観のようなものに徐々に引き込まれていく。ちなみに座るための木製のベンチも内藤礼の作品の一つ。

本館特別5室の展示は、高い天井から陽の光が差し込む洋館の大広間で開放的な空間。フロア中央にある座という木工の作品に座って仰向けになって上を眺めると、浮かんでいる小さな物体が空の星のように見えてくる。

本館1階ラウンジでは、一般客にも公開されている作品。内藤礼の作品が日常に溶け込んでいて、作品に気付く人と気付かない人で全く違う空間になっていた。

内藤礼 生まれておいで 生きておいで

会期 6月25日(火)~9月23日(月・休)
会場 東京国立博物館 平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ
開館時間 9時30分~17時00分 (入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日、7月16日(火)、8月13日(火)、9月17日(火)
(注)ただし、7月15日(月)、8月12日(月・休)、9月16日(月)、9月23日(月)は開館。また、8月13日(火)は総合文化展は開館。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2637&lang=ja

続いては東京都美術館へ。デ・キリコ展。

3フロアで作風別で展示されており、解説も非常に分かりやすく、ボリュームもあり見応えがあった。

よく見るイタリア広場の形而上絵画は数少なく、もっと見たかったところだけど、さすがに揃えるのは難しかったか。他の形而上絵画では「孤独のハーモニー」が印象的だった。

今回のデ・キリコ展で最も印象的だったのは最後の方にあった晩年の作品。黒いギザギザの影が現れるようになって、城に向かう騎馬や太陽を描いたりしていて、かと思えば淡い白色の室内の絵もあったりして、デ・キリコが晩年に至った境地が興味深かった。

デ・キリコ展

会 期 2024年4月27日[土]~8月29日[木]
休室日 月曜日、5月7日[火]、7月9日[火]~16日[火]
※ただし、4月29日[月・祝]、5月6日[月・休]、7月8日[月]、8月12日[月・休]は開室
開室時間 9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
会 場 東京都美術館

https://dechirico.exhibit.jp/

デ・キリコ展に入場する前に東京都美術館にあるレストランのミューズで食事。タッチパネルで注文するファミレスみたいな感じのレストランで、デ・キリコ展の特別メニューも用意されていた。

注文したのはチキンのチーズ焼きとパンで、上品な味わい。鑑賞の合間の休憩にちょうどよかった。