訪問時期:2022年7月

土用丑の日が近い7月の某日に、うなぎを食べに浜名湖に出向いた。ついでに面白そうな宿を見つけたので、一泊することにした。

2022年の日本は6月末から猛暑となっている。近年は7月の終りくらいまでずっと梅雨のイメージがあって、夏が短いという印象なのだけど今年は違った。夏は長い。夏が長くなりそうだ。

まずは、新横浜駅の自動券売機で浜松までのぷらっとこだまの切符を受取。ぷらっとこだまの切符は一度改札の外に出て受け取らないといけない。

ぷらっとこだまは前日までに購入、駅で切符を受け取り、区間外の乗車は不可など制限はあるけど料金はお得。地味にドリンク券が付いてくるのも嬉しい。ドリンク券でミネラルウォーターを購入した。

浜松駅に到着。こだまは空いていて快適だった

今まで東海道新幹線の何が嫌いかというと、あの混雑具合だった。まるで飛行機のエコノミークラスに座ってるみたいで、飛行機なら許せても電車では我慢できなくなっていた。料金の高さに見合ってないなと。それがこだまでは解消されていた。今度からは基本的にこだまで移動しようと思った。あと各駅停車でゆるりとした気分になる行程が、旅情をかき立てるね。

浜松からJRで新所原へ。新所原で天竜浜名湖線(天浜線)に乗り換える。SUICAが使えるのはここまでなので、新所原駅で全線乗り降り自由の1日フリーきっぷの切符を購入。今日泊まる宿では、天浜線の切符代を宿泊代金から差し引いてくれるから迷わず1日券を購入。

天浜線の車両。1両編成。この車両に限らず天浜線はどの車両もラッピングが個性的で面白かった。他にもマリメッコの内装がしてある車両もあるようだ。なぜマリメッコなのか疑問だったけど、天浜線に実際に乗車してその理由が分かった気がした。この路線、メルヘンチック!おとぎ話の中みたいな世界観。

新所原駅を出発して、周囲をトンネルのように木々に囲まれた場所をくぐったり、牧歌的な風景の車窓、汽笛を鳴らしながらコトコトと走る。やたら長く汽笛を鳴らしていると思ったら鹿が線路に侵入していた。そう、天浜線はやたらレイドバックした世界だった。一時間に一本くらいしかないので不便なんだけど、天浜線自体も観光資源みたいなものなので、乗車する価値はあり。特に夏の季節は良いらしい。

東都筑駅に到着。無人駅だ。

ここからうなぎの名店「加茂」まで徒歩で行く。

東都筑駅から徒歩3分程度。加茂へ。

13時前に着いて、のれんをくぐったら席を用意できるのは「14時45分頃」との回答。昼どきは混んで待つのは分かっていたので、あえて少し遅めの時間帯を狙って訪れたけど、あまり意味がなかった。名前と電話番号を聞かれるので、答えて店を後にした。

別に待つのは構わないのだけど、どこで時間をつぶそうか悩む。炎天下の猛暑日だったので、どこか避難できる場所が欲しい。天浜線は1時間に1本なので移動は難しい。車だったらどこにでも行けるのだが。

加茂から徒歩7分程度の場所に丁度いい休憩場所を発見。

不思議なかき氷cafe 三ヶ日というお店。不思議なかき氷cafeはチェーン店みたいで割とあちこちにある。三ケ日というのはこのあたりの地名。このお店で加茂の時間待ちをすることに。

ハニーヨーグルトの小サイズを注文。1000円なり。

よくある昔ながらのクラシックなかき氷ではなく、モダンなかき氷。小サイズでもかなり大きい。真夏の日にぴったりの食べ物だったけど、この後うなぎを食することを考えて、あまり食べず、残してしまった。

不思議なかき氷cafe 三ヶ日は店内も新しく清潔で、避暑地として良かった。

14時30分頃に電話がかかってきて、席の用意ができたということで、再び加茂へ。

うな重の上(一匹)を注文。ちな3800円。

カウンターに座ると、撮影禁止のマークがあった。マークの位置的にガラス張りの厨房が撮影禁止だと思われたのだけど、どうなんだろうか。ネット上には加茂のうな重の写真はたくさん掲載されているし。なので、うな重の写真はなし。ヴィジュアル的には別に特筆すべきものではないので。

で、待ちに待って食べた加茂のうな重は、超美味だった。

今までのうなぎの既成概念を覆す味わいで衝撃だった。食感からしてインパクトがあった。そりゃ大人気のはずだよ、と深くうなずいた。浜名湖に来る前にウォーミングアップとして地元の近くの店でうな重を食べて、その店もまあ悪くなかったけど、加茂はレベチ。うなぎ、凄い!と思わされた。

あと、お店の接客がとても良い。人気店なのに傲慢になることもなく、お客様を大事に大切に扱う姿勢が伝わってきた。翌日訪れたさくめも同じで、浜名湖のうなぎ屋は接客も一流で気持ちよかった。この辺も人気の理由なの加茂、もといなのかも。

炭焼うなぎ 加茂

加茂のうな重を堪能したあとは、東都筑駅まで戻る。天浜線の待ち時間が40分以上あったので、駅前の喫茶店「琥珀」で時間をつぶすことに。

ログハウスのような雰囲気でのんびりした時間が流れるお店で、何より全面禁煙で良かった。WEBで見ると以前は喫煙可だったみたいだから。

東都筑駅と、東都筑駅から天浜線の線路を眺めて。

写真の奥に見えるのは本物のトンネルだけど、緑の木々に囲まれた「緑のトンネル」は天浜線の最大の見どころ。異世界に突入するような幻視的な光景が繰り広げられる。

緑のトンネルがピークを迎えるのがフルーツパーク駅の前後。特にフルーツパーク駅~宮口駅の間は緑のトンネルの全盛期となる。

しかしながら緑のトンネルは写真を撮るのが難しい。走行中で揺れも激しいし、運行の邪魔にならないようにしないといけないし。実際に乗車して体験してみてください。

そんな感じで天浜線はヴィジュアルショッキングな世界だった。浜名湖のうなぎとセットで天浜線を観光したいところだ。

二俣本町駅で下車。

二俣本町駅の風景。実に風情がある。もはや映画のワンシーンみたいだ。

二俣本町駅の構内より改札方面に向かって。ここも無人駅。

本日宿泊するのは、この二俣本町駅の駅舎に直結している宿で、一日一組限定のINN MY LIFE。ここがまた最高のリトリート空間だった。詳しくは次項にて。