訪問時期:2025年3月
川村記念美術館が2025年3月末で閉館するというので、行ってきました。
天気予報で全く聞いていない雪に見舞われました。東京駅で直通バスを待っている時が最も厳しく、結構な吹雪の状況下、吹きさらしの中を小さい傘で20分以上耐えるという苦行を演じるはめになりました。佐倉の川村記念美術館に着いても吹雪の状況で、美術館に行くだけなのになんでこんな苦労をするのだろうかという気分でした。

館内は撮影禁止です。久々の訪問にも関わらず既視感が強く、だけど見え方や感じ方は随分変わっていて、そういう自分の見方に関する新たな発見が面白く感じました。人は変化するものですね。
久々にロスコ・ルームを訪問してまず思ったのは、こんなに暗かったっけ?ということでした。それが効果的で、以前の訪問時よりも気に入って、長時間滞在しました。入口の窓から見える地面の高さで半地下の部屋を演出するところも巧みです。六本木に移転するという新たなロスコ・ルームを楽しみにしたいと思います。
その階上にあるバーネット・ニューマンルームはなんと2013年にアンナの光を売却してしまったので、空っぽの部屋になってました。展示空間があるだけです。こちらも以前の訪問時より空間の設計意図がひしひしと感じられ、この部屋にアンナの光があったら更に完成形だったろうと思い、作品の不在が悔やまれました。
他にもエルズワース・ケリーやアド・ラインハルトなどに感嘆し、フランク・ステラが思いの外楽しめたりしましたが、最もインパクトがあったのはブリジット・ライリー「朝の歌(Aubade)」でした。3Dでうねうね畝っていてオプ・アートの真髄ここにありという趣きでした。
DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然
2025年2月8日(土) - 3月31日(月)
時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(ただし2月24日、3月31日は開館)、2月25日(火)
今津景展
川村記念美術館のあとは一路西へと向かい、初台のオペラシティ・アートギャラリーに今津景展を見に行きました。


例によって予備知識がない状態で臨んだものですから、最初は作品の世界観についていけず頭がポカーンとなる状態に陥りました。
インドネシア推しが強くて、というかインドネシア在住の作家なので最早感性が全く違うのだなと思って鑑賞していたのですが、数々の異形の造形物が展開された広い部屋の絵画に接するうちに見方が変わってきました。人間の想像力を凌駕している構成の絵画だなと。
ちょうど発売されたばかりのユヴァル・ノア・ハラリ「NEXUS 情報の人類史 人間のネットワーク」を読んでいたので、文中に登場するエイリアン・インテリジェンスのような異質なセンスを、今津景の絵画から感じました。



館内のベンチに置いてある図録を読んだら、まずコンピュータで構成してそれを絵画に起こしているという解説があって、ああなるほどと納得できました。ちょっと安心したけど、それでも驚くべき作品なのは変わりません。
刺激的な展覧会で、現在と未来に希望が持てる内容でした。
今津景 タナ・アイル
- 期間 2025年1月11日[土]─ 3月23日[日]
- 会場 東京オペラシティ アートギャラリー[ギャラリー1, 2]
- 開館時間 11:00 ─ 19:00(入場は18:30まで)
- 休館日 月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)、2月9日[日](全館休館日)

project Nは福本健一郎です。抽象画で、人間の顔のようなものや植物が見え隠れするのが特徴でした。同じく抽象画が多かった今津景展とはまた違ったテイストで楽しめました。解説によると制作の原点に「インドネシアで原生林に分け入り、自然を前にしてあらゆる感覚が開かれる大いなる開放感を得た」ことがあるようで、インドネシアで関連付けがされているようでした。
ちなみにproject Nはキュレーターの福士理の文章がいつも強力で、この人の解説を読むのもproject Nの楽しみの一つです。↑で引用した、”〇〇を前にしてあらゆる感覚が開かれる大いなる開放感を得た”、というのも汎用性が高く自分でも使いたくなってきます。
project N 97 福本健一郎
会場東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール
期間2025年1月11日[土]─ 3月23日[日]
追伸
北参道にあるUESHIMA MUSEUM ANNEXで開催中の今津景展もみてきました。




作品点数が絞られてるので、より一つ一つにフォーカスした鑑賞ができました。やはりインドネシア期以降の作品が異質で印象的でした。
今津景展
開催日 | 2025年1月15日 (水) ~ 2025年3月30日 (日)
開催時間 |(日時指定WEBチケット制) 11:00 – 17:00(最終入場16:00)
開催場所|UESHIMA MUSEUM ANNEX
休館日 | 月曜(月曜が祝日の場合は開館、翌平日休館)
追伸2



ANNEXのついでに本館のUESHIMA MUSEUMにも行ってきました。さわひらきの住宅内で航空機が飛ぶ映像作品「/home, /home (absence)」と、B1フロアのジャデ・ファドジュティミとローレン・クインの抽象画が印象に残りました。


UESHIMA MUSEUMのそばにあるSTREAMER COFFEE COMPANYにて休憩。見事なラテアートともちもちのシナモンロールを堪能。飲み進めていっても抽象的な模様が顕出しているという「観る」に特化したラテでした。